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「昨日、米国株が下がったらしい」。そう聞いて自分の積立の画面を開いたとき、思っていたほど減っていなかった。あるいは逆に、ニュースの数字よりずっと減っていた。米国時間2026年9月1日は、その差がはっきり出た一日でした。S&P500は0.71%安、ナスダック総合は1.03%安、小型株のラッセル2000は1.2%台の下落。どれも「米国株が下がった」と一言でまとめられてしまいますが、下げ幅には倍近い開きがありました。この差は偶然ではありません。原油と金利が動いた日に、指数の中身の違いがそのまま成績の違いとして出ています。この記事では、その仕組みを3つに分けて説明します。
まずは口座の準備から
米国時間9月1日に何が起きたか|株安・原油5.2%高・長期金利4.79%
3つの株価指数は、そろって下げたが幅は同じではなかった
米国時間9月1日の主要指数の終値は、次のとおりです。
- S&P500:7,631.47(前日比 0.71%安)
- ナスダック総合:26,099.77(前日比 1.03%安、271ポイント安)
- ダウ工業株30種平均:52,766.88(前日比 0.79%安、419.02ポイント安)
- ラッセル2000(小型株):1.2%台の下落
補足:ラッセル2000の下落率は、集計元によって1.2%台前半から1.27%まで幅があります。指数の終値は取得時刻やデータ提供元で小数点以下が変わるため、この記事では幅を持たせて書いています。
S&P500の0.71%安と、ラッセル2000の1.2%台。数字だけなら小さな差に見えます。ただ100万円を預けている人にとっては、7,100円減るか12,000円以上減るかの違いです。1日でこの開きが出るなら、年単位では無視できません。
同じ日、原油は5.2%上がり、長期金利は2025年1月以来の高さになった
株価が下がった背景には、2つの数字がありました。原油と金利です。
- WTI原油:1バレル90.22ドル(前日比5.2%高)
- 米10年債利回り:一時4.79%(2025年1月以来の高さ)
- 米30年債利回り:5.26%前後
きっかけは中東でした。ホルムズ海峡付近で商船やアメリカ軍への攻撃が試みられたとの報告を受け、米軍がイラン革命防衛隊の関連拠点を攻撃。海峡を出る途中のタンカー2隻が被害を受けたと伝えられ、イラン側は圧力が続くなら原油輸出を止めると警告しました。ホルムズ海峡は原油輸送の要所です。ここが不安定になると、実際の供給が止まる前から価格が動きます。
市場と調査機関は、この日の下げをどう受け取ったか
恐怖指数(VIX)は1日で約10%上がった
株価の変動の大きさを示すVIX指数は、この日およそ10%上昇しました。指数そのものの下げが1%前後だったことを考えると、値下がりの幅より警戒の強まり方が目立った一日です。
資金はエネルギー・ヘルスケア・生活必需品へ移った
売られただけの日ではありませんでした。情報技術セクターが弱い一方、エネルギー、ヘルスケア、生活必需品には資金が入っています。市場からお金が逃げたというより、置き場所が移った動きです。原油が上がればエネルギー企業の収益見通しは改善しますし、生活必需品は景気が鈍っても売上が落ちにくい。
政策側|9月の利上げ織り込みは66.4%まで上がった
金利の見通しも動きました。CMEグループのFedWatchによれば、9月の会合で0.25%の利上げが行われるとの見方は66.4%、据え置きは33.6%。1週間前は据え置き60.4%、利上げ39.6%でしたから、7日間で逆転したことになります。ウォーシュFRB議長が物価の抑制について「やるべきことが残っている」と述べたことに、原油高が重なった形です。
重要ポイント:この日の株安は「悪いニュースで一斉に売られた」のではありません。原油高と金利上昇という2つの材料が、指数ごとに違う強さで効いた結果です。だからこそ下げ幅に差が出ました。
米国株の下げ幅が指数ごとに分かれた3つの理由
理由①長期金利の上昇が、成長株の「今の価値」を押し下げるから
株価は、その企業がこれから稼ぐと見込まれる利益を、今の価値に割り引いて計算されます。この割り引きに使うのが金利です。金利が上がれば割引率も上がり、遠い将来の利益ほど今の価値が小さく評価されます。
ここで差が出ます。すでに安定して稼いでいる企業は、利益の多くが近い将来にある。これから伸びると期待されているハイテク企業は、利益の多くが遠い将来にある。同じ金利上昇でも、後者のほうが評価の下がり方が大きくなります。米10年債利回りが4.79%まで上がった日にナスダック総合がS&P500より深く下げたのは、この計算の違いによるものです。
理由②指数によって、エネルギー株の比率が違うから
原油が5.2%上がった日、エネルギーセクターには買いが入りました。ということは、エネルギー株を多く含む指数ほど下げが和らぎます。
ダウ工業株30種平均は30銘柄、S&P500は約500銘柄、ナスダック総合は1,000を大きく超える銘柄で構成されています。含まれる会社が違えば業種の構成比も違う。ナスダック総合は情報技術の比重が高く、エネルギーの比重は相対的に低い作りです。
ここが分かれ目:「米国株」という言葉は1つの商品を指していません。何を何割ずつ持っている指数なのかで、同じ日の成績が変わります。自分の投信がどの設計かを知らないまま、ニュースの数字と残高を比べても原因はつかめません。
理由③小型株は借入の比率が高く、金利上昇が業績に直接響くから
3つ目は、ラッセル2000が最も下げた理由です。小型株の企業は大企業に比べて自己資金が薄く、事業の元手を借入に頼る割合が高くなりがちです。しかも大企業のように長期の固定金利で低コストの資金を調達しにくい。金利が上がれば、利払いの負担がそのまま利益を削ります。
大企業にとって金利上昇は、株価の計算式が変わる話にとどまることが多い。小型株にはそこへ「実際の利払いが増える」話が乗ります。理由①が全体に効く力なら、理由③は小型株に上乗せで効く力です。両方が重なり、ラッセル2000の下げが一番深くなりました。
積み立てを続ける人が、この日の値動きから確かめられること
確かめ方①自分の投信が、どの指数に連動しているかを月次レポートで見る
「米国株のインデックス投資をしている」と言っても、連動先はいくつもあります。S&P500、CRSP USトータル・マーケット・インデックスなどの全米株式型、ナスダック100。ここが違えば9月1日のような日の減り方も違います。運用会社のサイトで月次レポートか交付目論見書を開き、連動対象の指数名を見る。それだけで、ニュースのどの数字が自分に近いのかが分かります。
確かめ方②「情報技術」セクターの比率を数字で見る
同じ月次レポートには業種別の構成比が載っています。情報技術セクターが何%か。この数字が大きいほど、理由①で説明した金利の影響を受けやすくなります。比率が高いこと自体は問題ではありません。上がる局面では有利に働いてきたはずです。上がるときと下がるときの理由が同じだと分かれば、下げた日に慌てる場面は減ります。
確かめ方③S&P500と全世界株式を両方持っている人は、米国の重複を数える
分散のつもりでS&P500連動の投信と全世界株式型を両方積み立てている人は少なくありません。ただ、全世界株式型の中身には米国株が大きな割合で含まれています。両方を持つと、意図した以上に米国の比重が高くなりがちです。全世界株式型のレポートで米国の国別比率を見て、S&P500側の金額と合算する。実際の米国比率が思っていた割合とどれだけ離れているか、答え合わせができます。
積立先を見直すなら
次に確かめたい日程
- 米国時間9月15日〜16日:FOMC(米連邦公開市場委員会)。利上げの有無と、会見での説明
- ホルムズ海峡の情勢:原油価格は、供給が実際に止まる前から反応します
- 持っている投信の月次レポート:多くは月末基準で、翌月の中旬までに更新されます
この3つのうち、自分で動かせるのは3つ目だけです。FOMCの結果も中東の情勢もこちらからは変えられません。変えられるのは、自分が何を持っているかを正確に知っておくことのほうです。
まとめ|「米国株が下がった」の一言では、自分の資産の動きは説明できない
米国時間9月1日、米国の主要指数はそろって下落しました。ただし下げ幅は、S&P500が0.71%、ナスダック総合が1.03%、ラッセル2000が1.2%台とはっきり分かれています。差を生んだのは3つの力でした。長期金利が4.79%まで上がり、遠い将来の利益に頼る成長株ほど今の価値が下がったこと。原油が5.2%上がってエネルギー株に買いが入り、その比率の違いが指数の差になったこと。そして小型株は借入への依存が高く、金利上昇が利払いという形で業績に直接響いたことです。
この3つはどれも、その日のニュースではなく指数の作りから来ています。だからこそ、次に似た日が来ても同じ順番で下げる可能性が高い。
やることは1つで足ります。持っている投資信託の月次レポートを開き、連動している指数名と情報技術セクターの比率を書き留めておく。次に「米国株が下がった」というニュースを見たとき、その2つのメモがあれば、自分の資産がどう動いたはずかを自分で説明できます。相場を当てる必要はありません。手元に紙を1枚作るだけです。
次の一歩はこちらから
本記事は2026年9月時点の情報提供を目的としており、投資・税務等の個別アドバイスではありません。最新情報・個別事情については専門家にご相談ください。また、この記事はAIを補助に利用して作成しています。


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