9月25日、厚生労働省から暮らしに関わる発表が相次ぎました。転職した人の理由を調べた「転職者実態調査」、国民年金保険料の納付率、有料老人ホームの指導状況、かかりつけ医を探せる医療情報ネット、そして入国前の結核検査です。ニュースの見出しだけでは、自分の生活にどうつながるのか分かりにくいものです。この記事では、厚生労働省の公式サイトと報道発表資料で内容を確かめた5つの発表を、いつ・どこが・何を発表したか、暮らしへの影響、この先の予定の順に整理しました。むずかしい言葉は使わず、小学校4年生でも読める言葉で書いています。5分ほどで読めますので、気になる項目からどうぞ。
暮らしの備えを一歩先へ
転職した人の8割が「自己都合」、辞めた理由の1位は賃金
厚生労働省は令和8年9月25日、令和7年「転職者実態調査」の結果を公表しました。従業員5人以上の会社などの事業所約17,000か所と、そこで働く転職者約13,000人を対象に、令和7年10月1日の状況を調べたものです。前回は令和2年でした。ここでいう転職者とは、フルタイムで働く人のうち、今の職場に入る前の1年間に別の企業で働いた経験がある人のことです。
個人向けの調査で、前の勤め先を辞めた主な理由をたずねると、「自己都合」が81.3%で最も多くなりました。その自己都合の中身(3つまで選べる回答)は、「賃金が低かったから」が25.5%でいちばん多く、「会社の将来に不安を感じたから」が25.2%、「満足のいく仕事内容でなかったから」が24.7%と続きます。今の勤め先を選んだ理由は、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が40.2%、「自分の技能・能力が活かせるから」が38.4%でした。
受け入れる会社側の数字もあります。今後3年間に転職者を採用する予定がある事業所は63.6%で、そのうち「転職者を優先して採用したい」は40.0%でした。今の職場での満足度を示す満足度D.I.は44.0ポイントです。これは「満足」「やや満足」の人の割合から、「不満」「やや不満」の人の割合を引いた値で、プラスなら満足する人のほうが多いことを表します。
転職を考えている人にとっては、「賃金」と「将来の不安」が動くきっかけになりやすいと分かる資料です。ただし、これは調査結果であって、転職すれば必ず満足できるという意味ではありません。詳しい表は、厚生労働省の統計のページで見られます。
国民年金の納付率、令和5年7月分は85.4%で前の年より0.3ポイント上昇
厚生労働省は9月25日、令和8年7月末現在の国民年金保険料の月次納付率を発表しました。納付率とは、保険料を納めるべき人のうち、実際に納めた人の割合です。発表では、3つの時点の数字が示されました。
- 3年経過納付率(令和5年7月分の保険料):85.4%(前の年の同じ時期より0.3ポイント上昇)
- 2年経過納付率(令和6年7月分):86.1%(同じく3.3ポイント上昇)
- 1年経過納付率(令和7年7月分):83.7%
3年たった時点の数字が、最終的な納付の状況を表す目安とされています。2年経過と1年経過は、途中の経過を示すものです。数字を見ると、前の年より上がっている一方で、100%からの差でみると、1割半ほどの人がまだ納め終えていない計算になります。保険料をうっかり払い忘れていないか、この機会に確かめておくと安心です。
収入が減って払うのがむずかしいときは、免除や猶予の制度があります。放っておかず、お近くの年金事務所や日本年金機構に早めに相談してみてください。この納付率は月ごとの数字として、厚生労働省が定期的に発表しています。
有料老人ホーム、届け出のない施設は568件
厚生労働省は同じ9月25日、「有料老人ホームを対象とした指導状況等のフォローアップ調査(第17回)」の結果を発表しました。令和7年6月30日時点で、届け出がされている有料老人ホームは17,883件で、前の年度の17,246件から増えました。いっぽう、届け出がない「未届」の有料老人ホームは568件(前の年度は584件)で、全体に占める割合は3.1%(同3.3%)でした。
入居のときにまとめて払う「前払金」の数字もあります。前払金を集めているホームは2,384件あり、このうちお金を守る「保全措置」をとっていないホームが25件(前の年度は23件)でした。割合は1.0%です。保全措置とは、ホームの経営が行きづまっても、払った前払金が戻るようにしておく備えのことです。
厚生労働省は同日付で、都道府県などに通知を出し、未届のホームの実態をすばやくつかむこと、保全措置をとっていない事業者に重点的に指導することなどを求めました。親や自分の入居先を探している人は、届け出の有無と前払金の保全措置について、都道府県や市区町村の窓口で確かめられます。
この先については、社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号、6月25日公布)で老人福祉法が変わり、中重度の要介護者など入居者を守る必要性が高い方を入居の対象とするホームに、登録制が入ります。厚生労働省は、この登録制が始まるための準備を進めるとしています。調査も今年度、6月30日時点の状況で続ける予定です。
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かかりつけ医を、医療情報ネット「ナビイ」で探せます
厚生労働省は9月25日、「かかりつけ医機能」に関する情報が、医療情報ネット(ナビイ)で見られるようになったと知らせました。令和7年4月に「かかりつけ医機能報告制度」が始まり、医療機関が自分の持つかかりつけ医の機能を国の仕組みに報告しています。その報告の内容が、ナビイにのっています。
ナビイのトップページには「かかりつけ医機能」というボタンがあります。押すと、かかりつけ医機能について検索の条件を決めるページに進めます。そこから、地域の医療機関をさがせます。厚生労働省は、この制度の報告がある程度たまったので、地域でかかりつけ医になってくれる医療機関をさがすときは、ナビイをぜひ使ってほしいと呼びかけています。
引っ越したばかりの人や、遠くに住む親の通院先を決めたい人に役立ちます。ただし、この仕組みは医療機関の報告をもとにしたものです。実際に通う前には、電話や窓口でくわしい内容を確かめておくと安心でしょう。今後の予定として、新しい日付などは示されていません。
インドネシアで入国前の結核検査、11月2日から
厚生労働省は9月25日、日本入国前結核スクリーニング(JPETS)を、インドネシアで始めると発表しました。日本に中長期にわたって滞在する予定の人が、入国する前に指定の医療機関で胸のエックス線検査を受け、「結核を発病していないこと」を確かめる仕組みです。結核の患者を早く見つけて治療につなげ、日本でのまん延を防ぐことが目的です。
この仕組みは令和6年度から、フィリピン、ネパール、ベトナムですでに動いています。インドネシアは対象国に入っていたものの、「準備ができしだい始める」とされていました。日本側の準備がととのったため、始まることになりました。
日程は次のとおりです。指定の医療機関での健診の受け付けは令和8年11月2日から、結核非発病証明書の提出が必要になるのは令和9年1月4日からです。日本に住んでいる人が検査を受けるわけではなく、対象はこれから日本に来る人です。働く人や学ぶ人を受け入れる会社や学校の方は、対象となる在留資格や手続きを、厚生労働省の専用サイト(jpets.mhlw.go.jp)で確かめてください。
今日のまとめ|見出しの数字を、自分の手続きに結びつける
今回の5つの発表は、どれも「知っていれば動ける」内容でした。転職者実態調査では、辞めた理由の8割が自己都合で、賃金や将来への不安が上位に並びました。国民年金の納付率は85.4%で、前の年より0.3ポイント上がっています。有料老人ホームでは、届け出のない施設が568件、前払金の保全がないホームが25件ありました。かかりつけ医はナビイで探せるようになり、インドネシアでは11月2日から入国前の結核検査が始まります。
どれか1つだけでも、今日の行動に変えてみてください。年金の払い忘れがないか確かめる、親の入居先候補の届け出を調べる、ナビイでかかりつけ医の候補を1件ひらいてみる、といった小さな一歩で十分です。転職を考えている人は、自分が動きたい理由が賃金なのか、将来の不安なのかを、紙に書き出してみると整理しやすくなります。数字は発表元の資料にあるものだけを使っています。詳しい内容は、それぞれの発表ページで確かめられます。
今日できる小さな一歩


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